獲れても美味しく食べるには手間がかかり食用には回らないものや、廃棄されてしまう魚、いわゆる「未利用魚」。江戸前船橋で獲れるコノシロは、それとは少し意味が違うが、小骨が多いという理由で、主に飼料や餌料の原料とされる、言わば「低利用魚」です。
本当は美味しい、コノシロの上品な味わいを多くの人に知っていただこうと「船橋漁港のコノシロやわらか煮」を商品化しました。ふっくらやわらかで、骨まで食べられるおいしい煮魚に仕上がりました。
企業名 | 業種 |
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株式会社エスエスフードインターナショナル | 食品の販売、開発、製造、輸出入 |
海光物産 株式会社 | 水産物、及び水産加工品卸 |
海光物産株式会社は、まき網漁を営む「大傳丸」(大野和彦代表)と「中仙丸」(中村繁久代表)の出資によって設立された、水産物卸・水産加工品の販売会社です。江戸前で獲れるすずきのブランド化『瞬〆すずき』や、海の恵みを未来につなげるための活動に取り組んでいます。
全国的に漁獲量が年々減少し、人々のタンパク源の確保が叫ばれている中、処理に手間がかかるため「未利用」や「低利用」となっている魚の問題を改善し、持続可能な漁業を実践するため、2022年にTカードグループのCCCMKホールディングス株式会社(東京都渋谷区)が立ち上げた「未利用魚活用プロジェクト」へ参画を決めました。江戸前船橋で水揚げされたコノシロを活用した商品をつくり、この魚の持つ意味の重要性を多くの人に知ってもらう取り組みに、プロジェクトリーダーとして推進していくこととなりました。
コノシロは幼魚のうちはシンコ、コハダとして江戸前寿司の代表的なネタで高値で取引されますが、成魚になると小骨が多く加工に手間がかかるため、取引価格が大きく下がってしまう魚です。しかも千葉県が漁獲高トップで、シェアは全国の37%も占めています。対象の魚は決まったものの、自社には食品加工の設備も経験もなかったため、協力いただける船橋近郊の水産物加工会社を探していたところ、千葉県市川市にある株式会社エスエスフードインターナショナルと出会いました。
株式会社エスエスフードインターナショナルは、水産物を中心とした加工冷凍食品、レトルト食品を製造する会社です。原料調達・発掘、開発、加工、販売と一連の食品流通を手がけ、日本をはじめ北米・欧州・オセアニア・アジアなど世界中に商品を提供しています。
『食を通しておいしさという幸せ・笑顔を提供する。』という企業理念のもと、卸業だけではなく一般のご家庭向けに、いわし・さば・あじなどの味噌煮や生姜煮を生産し販売する事業も行っており、SDGsに関連する商品の開発を検討されていました。今回のプロジェクト内容をご説明しご協力をお願いしたところ、主旨にご賛同いただきプロジェクトへの参画が決まりました。
早速、コノシロを使った商品開発がスタート。CCCMKと両社の他、国産・オーガニックフードストア「こだわりや」(東京都豊島区)も加わり、商品のアイデアや意見を出し合い、試作を何度も重ね、『船橋漁港のコノシロやわらか煮』が完成しました。コノシロを、生姜としょうゆ、酒、みりん、てんさい糖のみで味つけし、ふっくらやわらかな煮魚です。小骨があたるなどで利用が限定されていたコノシロを、海光物産の下処理技術、エスエスフードの高温高圧加工技術によって、骨まで食べられるおいしい煮魚に仕上がりました。クセがなく上品なコノシロの味わいが引き立ち、毎日のごはんのおかずはもちろん、お酒のおつまみに、お弁当のおかずにもぴったりのひと品です。
本商品は、こだわりや船橋店(シャポー船橋 本館1階)で販売しています。
・未利用魚活用プロジェクト
https://ethicalfoodlab.tsite.jp/funabashi/
・海光物産株式会社 https://kaikobussan.com/
・株式会社エスエスフードインターナショナル
http://www.tsukiji-jp.com/
・こだわりや https://www.kodawariichiba.com/
船橋漁港のコノシロやわらか煮
コノシロという魚
加工工場風景
毎日のごはんのおかずにぴったり!
商品パッケージ